みんなが安心して暮らせる安全で明るい社会を築くためには、単に犯罪の取り締まりを強化したり、犯罪者を厳しく罰するだけでは充分ではありません。犯罪や非行を犯してしまった人たちが二度と同じことを繰り返さないですむよう手助けをしたり、犯罪や非行を未然に防ぐことも、大切なことです。
これらの仕事を担当しているのが「更生保護」です。
更生保護は、ひとたび犯罪や非行に陥った人も、周囲の条件と本人の自覚によってしっかりと立ち直ることができるという、人間とその可能性に対する信頼感に根ざし、彼らの立ち直りを手助けするため日夜活動を展開しています。
ネットワークづくり

広報活動や各種メディアの利用、犯罪予防に関する標語や作文の募集などを通じて地域住民の理解を呼び掛けます。

犯罪や非行をテーマとした講演会やミニ集会、子育て支援地域活動など、地域社会の一人ひとりが真剣に考える場を提供します。

個人・家庭・学校・地方公共団体・福祉機関など、関係団体とネットワークを結びます。最近では学校と更生保護との連携が顕著です。

相談できる人がいる
犯罪や非行をした人の立ち直りを地域で支えるボランティアです。その主な職務は、保護観察を受けている人たちへの指導や犯行予防活動です。札幌管内(道央圏)には31地区に保護司会があり、保護司数は1,151人(令和7年4月1日現在)です。

帰る場所がある
法務大臣の認可を受けた更生保護法人が運営する施設で、犯行や非行をし、頼るべき人がいないなどの理由で直ちに自立更生することが困難な人たちに一定期間寝食ができる場所を提供し、社会適応のため就職指導や生活指導を行うなどして、社会復帰を手助けしています。札幌には2カ所あります。

優しく見守る人がいる
女性の立場から、犯罪予防活動と更生を支援する活動を主として明るい地域社会の実現に寄与することを目的とするボランティアです。保護観察対象者の社会参加活動への協力や更生保護施設・矯正施設の訪問など多様な活動をしています。札幌管内には35の更生保護女性会があります。

先輩・友人がいる
少年たちと一緒に遊んだり、悩みの相談にのったり、少年たちが健やかに成長するための支援をする非行防止活動を行う青少年ボランティアです。札幌管内には12地区にBBS会があります。

働く場所がある
保護観察対象者や更生緊急保護者を積極的に雇用し、自立更生に協力をしている民間篤志家です。札幌管内には21の協力雇用主会があります。

生活費の相談ができる
保護観察を受けている人たちや刑務所等から釈放された人たちのうち、家族のもとに帰る旅費がないとか一時的に生活費援助が必要など特に困窮している人に、必要かつ相当な範囲内で金品の給貸与等を行う事業です。